2012/11/03

非効率的というもの


近所のクリーニング屋がリニューアルした。
どうリニューアルしたかというと、無人化したのだ。

コインロッカーとTSUTAYAの返却ボックスが合わさったようなシステムで、適当に預けると仕上がり日にはロッカーに入れられ、指定のロッカーから回収するというシステムである。

これよる顧客側のメリットは2つ。
1つは取扱時間が前後に延びたこと。朝、大学にいって帰りが遅い大学生(主に就活生)、そして一般人にはとても有り難いはずである。
2つは若干料金が安くなったこと。本当に若干。もしかしたら、私の気のせいかも知れない。

そして、デメリットもある。
即日仕上げがなくなったのだ。これは地味に不便だ。

店側はどうだろうか。
ご存じの通り、チェーン店型クリーニング店でも店舗に1人は必要である。詳しい業務までは知らないが、預かり物のチェックと料金の受取、仕上がり品の引き渡しであろう。

無人化によって店舗に人が居る必要は無くなったが、預かり品のチェックは工場で新たにしなければならない業務として加わった。しかし、一般的に考えて1箇所に集約されるので、人員は以前より削減できるだろう。
一方で、もちろんこれらの無人システム構築のための投資が必要である。

私はクリーニング屋ではないし、結果的にどちらが費用面でいいのかは分からない。
即日仕上がりが無くなり、売上もある程度は減るかも知れない。もちろん企業判断としては、変更して利益の上がる見込があったのであろう。

クリーニングとは、洋服などを預けて綺麗にしてもらうものである。ものは違えど、Amazonでも宅配便の人が届けに来る。要するにお店で買わなくとも人との接触があるのである。

今まで、人がやってきたことが無人化された。箱に洋服を入れると、綺麗に仕上がり箱に入っているということが、どこか不気味に感じてしまうのだ。慣れの問題ではあるかもしれない。

企業側にとってはコスト削減が進んだ。また、雇用が減ったこともまた1つ事実としてあるだろう。効率化という経済性とはなんなのか。雇用があることが経済であり、コスト削減もまた経済なのだ。

夜遅く、人影のない”ロッカー”が明るく照らされる店舗を眺めながら、物事の多面性を改めて感じた。

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