2011/03/31

クラウドという憧れ

クラウド、クラウドコンピューティングは実に便利だ。
クラウド型のデータ同期/バックアップ/共有サービスであるSugarSyncを利用しているが、印刷し忘れても学校からブラウザ経由で、ファイルを落として印刷できる。

急に確認したい資料があったときは手元のXperiaのアプリから見ることができる。



Amazon.comが「Cloud Drive」なるものを立ち上げた。
無料で提供される5GBのオンラインストレージに音楽データを保存し、PCやAndroidと言った携帯端末から再生できるようにするサービスである。料金を支払えば、さらに大きな容量へとアップグレードもできる。


類似するサービスは有名無名を問わずいくつかあるが、Amazon.comが始めたことは大きい。
AmazonのKindleは電子書籍をより身近なものとしつつある。その、Amazonが始めたのだ。



このサービスにレコード業界からは反発の声が上がった。

Amazon.comのクラウド音楽サービスにレコード業界から反発 - ITmedia News


TechCrunchにはこんな記事が載せられた

クラウド上のスペースはユーザの(借りている)ハードディスクだ–レコード会社の貪欲とは無縁 - TechCrunch


この記事には賛同したい。

私は日本にある音楽配信サイト(サービス)の大半を利用したいとは思わない。
大抵はDRMで固められている。バックアップを復元したりファイルを移動しただけで、そのものを失いかねない。
お金を出して買ったにも関わらず、その所有権はまだ握られたままだ。


一方、CDを買ったりレンタルをしてきて保存した曲はコピーもバックアップも復元も自由だ。

それは私的複製の範囲内であるからだ。


所有とは法律的に言えば所有権である。



映画『 弁護士 灰島秀樹』で弁護士の灰島秀樹の台詞にこんな一言がある。

「多くの奴らは法律に守られている、と思っているけど、実は違うんだな、法律に縛られているんだよ」



実に印象深い台詞だ。


お金で勝ち取ったと思っているこの“所有”も法律によって定められている。取った者勝ちも事実ではあるが、争いごとになれば法律に勝つことはできない。

本来、我々が持つべき”所有”は法律によって奪われているのかも知れない。
それは音楽業界の人間も知っているだろうが、おとなしく喰われるのを待つわけもない。
彼らもまた人間であり、生存したいと思うからだ。


法律が事細かに全てのことを定めていれば答えは○か×の2通りしかない。しかし、そんなことは不可能だ。人工知能やらで法律が進化するようなことができても、人間の判断が介入しなければならないだろうし、介入する以上△という事物が出てくる。

世の中の進化のスピードは上がり、法律という人間が蓄えた英知をも超えるスピードになりつつある。


クラウドは発想を現実のものとする大きな可能性がある。
バッテリーやネットワークインフラが更に良くなれば、ストレージを持たない音楽プレーヤーさえ登場するだろう。


空を飛びたいと人は空を見上げて、雲に乗ってみたいとも考えた。
航空機は今や当たり前の存在となった。

雲は形を変え、クラウドとして生活を変えようとしている。

「Cloud Drive」と音楽業界という争いは一面でしかなく、実は進化スピードと人類との争いではないか。

そんな考えさえ浮かぶ。次はどんなサービスが誕生するだろうか。テクノロジーは実に愉快だ。


















BONNIE PINKのキャラクターのシールをノートPCに貼った。

シールだけを見て気付く人がいるとは思えないが、クラウドコンピューティングと掛けてみたつもりだ。




雲はいつの時代も憧れの存在であり続けるのかも知れない。

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